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丸胴を残したわけ

 

丸胴とは?

 
機械で編み込んだ生地は、筒の形をしています。
そのまま使うと人の胴回りと同じ大きさとして、脇部分が無縫製で使えるものを丸胴と言います。
サイズの展開は、機械の口径を変えて編みます。
生地を開いて仕上げをしないため、針折れなどの生地はカットマークして使うことは出来ません。
筒のまま仕上げる方法を丸仕上げといいます。開く仕上げを開き仕上げといいます。
現在、丸仕上げが出来る工場が減ってきています。
 
 

丸胴

 
今枝メリヤスと丸胴

 
私たちは、会社創業時、肌着の生地の製造工場としてフライス、スムースを中心に丸胴の生地を作ってまいりました。
また、当時は機械のメーカーも数社あり、中古の機械も出回っており、順次保有台数を増やしてまいりました。
 
丸胴は、服のサイズの違いによって機械の口径を変えます。
たとえば、SサイズとMサイズがほしい場合は、機械を変えて13寸、14寸で編むという必要があります。糸を付け替えないといけないので、それだけ手間もかかります。
しかし、同じ規格の生地を、何社ものお客様に使っていただければ1度に複数の機械が回り効率は、良くなります。
さらに、お客様は、ロスとして捨てる部分が減るので、利益率が上がります。この状態で順調に事業を行っておりました。
しかし、このような時代が続いた後、肌着中心の機械から、アウターを作るための能率重視の高速の大型口径の機械が出てきました。

この時に、どちらに進むかの選択があり、丸胴を残すことになりました。
 
一つの理由は地元の肌着を作るお客様や、学販の体操服を作っているお客様が多くいたためです。
もう一つは、丸胴で作った生地の方が、大口径の高速の機械より風合いがいいという理由でした。

こうして丸胴の生地を購入していただけるお客様に支えられながら今まで丸胴を残してきました。
 
 

 丸胴の特徴

 
1,脇縫いのない生地ができます
(主な用途  ショーツ キャミソール 腹巻 丸胴Tシャツ )
脇縫いは無くなりますが、袖のある服は、身頃と袖のつなぎ目は縫い目は入ります
ただし、現在フラットシーマや接着により縫い目が肌に当たらないようにする方法もあります
 
2,型紙に合わせた生地幅ができます 
生地の両サイドを輪(わ)で使用し、型紙を入れます
筒状でセットされた生地の折り目が脇に来るように90度回転させて型紙に入れます。

3,伸縮の良い生地ができます 
口数の少ない編機で編み、丸セットをするので伸縮のある生地が出来ます
ガーゼ調の生地も対応できます(開きセットでは、生地が引っ張られて薄くなってしまします)
丸セットの生地は、筒になってつながっているので、自由に引っ張ることができません
そのため、本来の生地の幅に仕上がります
生地のセットの仕方には、丸セットと開きセットがあります。
風合いは、丸セットの方が良くなります。